パラダイス・リゲインド感想
はじめに
こんにちは。うどんです。2/2、待ちに待った映画が公開されました。
いやー、先行上映に行くことができなかったので、初回で観ることにしました。
色々思うところはありますが、面白かったですね。20年経ってもファイズはファイズなんだなって再確認できました。
というわけで、今回はこの映画を観て思ったことを色々書いていこうと思います。ネタバレ注意。
面白かったところ
色々な要素が上手く絡み合ってファイズの世界観を作っていたと感じました。
ライダー達
ネクストファイズ
ファイズの進化系で、ベルトから新造されているらしく数値上のスペックはファイズを大幅に上回っているようです。武装も持ち歩きからその場での生成方式になっており、劇中ではTV本編で忘れてしまうという暴挙をしたファイズブラスターやオートバジンがいないと使えないファイズエッジを生成しての二刀流を披露していました。
また、破壊されたオートバジンも修理ないし新造されていました。旧型ファイズに変身した途端援護に来たあたり、やはり旧型の方が気に入っているらしいです。
AI予測機能も実装されているようですが、巧の性格上使用はしていませんでしたね。やはり旧型の方が使い慣れているということでしょうか。巧役の半田さん曰く、ファイズフォン20Pは持ちづらいらしいです。
アクセルフォームの攻撃シーンはどちらもカッコよかったですが、決め手にはなっていませんでしたね。というか、TV本編の巧が変身したアクセルフォームは無敵の強さを誇っていたのですが、今回はラー油とAIに回避されてしまって少し残念でしたね。ただネクストファイズのアクセルフォームの演出そのものはかなりかっこよかったです。
ネクストカイザ
強化形態がないカイザについに与えられた強化フォームといった感じ。これで平成一期で強化フォームがない二号ライダーが威吹鬼だけになってしまいました。
カイザの機能を正当進化させた感じで、ブレイガンの後継型といった感じのクロスラッシャーの二刀流はカッコよかったです。旧カイザは武装が多く取り回しが悪そうでしたが、このあたりもマテリアライズ機能で改善しているのかな、と思います。
ただ、尺がないVシネクストの後半からの登場だったため、戦闘シーンは少な目でした。必殺技もゴルドスマッシュのみで、サイドバッシャーも未登場。少し物足りなさはありましたね。アンダースーツや絵ベルトが既存のカイザと同一なので、外付けの強化形態といった趣でベルトから新造されたネクストファイズやミューズには劣るスペックという感じなんでしょう。
設定上はアクセルフォームもあるらしいですが、こちらはスピンオフのみでの登場にとどまっています。
ミューズ
新世代ライダーの代表格といった感じで、実際に過去にはなかった武器の具現化、AIによる予測機能が実装されていました。
武器をその場で生成して使うというのは、過去のベルトの取り回しの悪さを上手く改善していましたね。
AIの予測はかなり高い精度らしいですが似たような能力を持つゼロツーほどではないらしく、劇中では
予告ではネクストファイズと交戦していましたが、たぶんヤンデレ化した玲菜かなと思っていたんですが実際は北崎が変身したってミスリードでしたね。
北崎の、ミューズフォンをセットしてからベルトを装着して変身という動作はジオウっぽくて好きです。
変身者によって武器が二刀流か一刀流に分かれているのも、変身者によって戦い方に差が出るファイズライダーっぽくて良かったです。
ヒサオ
ビジュが三原すぎて三原出るの???となったキャラ。
予告ではデルタの力を笠に着たなんか嫌味なキャラって印象でしたが、本編では全くそんなことがなく、予告のセリフも「ファイズがいなくても自分たちが頑張る」といった意思表示という感じでした。
実際、轢かれそうになったおばあさんを損得なく助けていました。その後即通報するおばあさんはかなり鬼畜ですが(トラック運転手と共謀してあぶり出したというのは考え過ぎですかね)。
最後はミューズに果敢に挑みますがAI予測に負けて灰化してしまいました。「俺はオルフェノクでありデルタでもある」というセリフは結構好きです。また、死にかけてもなおベルトを掴み再変身しようとしたことも、彼が勇敢な戦士であるという証拠だったと思います。オルフェノク仲間からの信頼も厚かったらしいですね。
オルフェノクの本能
ワイルドキャットオルフェノクになった真理がオルフェノクの本能に飲まれそうになったところ、あそこは小説版『異形の花々』で言及された「声」ですね。映像化されてみるとかなり怖かったです。
女性陣
園田真理
オルフェノクとの共存を願っていたものの、望まぬ形でオルフェノクにされてしまい、失意のまま飛び降りまでしようとしてしまうのは妙に生々しかったです。心の奥ではやはりオルフェノクを受け入れていなかったということでしょうか。
だからこそ、廃校で巧と結んだ関係の重要性が増すという感じです。
胡桃玲菜
純度666%の井上キャラって感じがしました。小説版木村沙耶かよって感じですね。
ドンブラの夏未も良いキャラしてましたが、彼女も例に漏れずキャラが立ちまくっていました。
予告のスチールでよく見てた胸のところでミューズフォンを持っているシーン、あれ恥ずかしがっていたってことだったんですね。上品な箱入り娘という感じがしました。
彼女も仮面ライダーに変身できる以上、何らかの人体改造はされていると思います(ミューズの仕様にもよりますが)。よってスマートブレインに忠実な戦士として生きていたんだと思いますが、巧に好意を持ってしまい、真理を恋敵と認定。真理をオルフェノクにし、殺すための大義名分を得ます。こんな風に「人間としてでなく怪人として殺す」という展開はドンブラの雉野つよしっぽくてゾクゾクしました。
その後は巧を振り向かせるために告白をし、恥じらいを捨てミューズとして真理を殺そうとしました。最後は真理と巧を追い詰めるものの、使命と恋の間で葛藤し後者を選んで巧を逃がそうとしてしまい、北崎に殺されることとなりました。
死に方はバラバラに刻まれて四散するといった感じでしたが、ショッキングだったとともにサイコロステーキ先輩を思い出しました。
オルフェノクを殲滅する生き方をしていたのに、オルフェノクに恋し、最後オルフェノクを活かそうとしてしまうというダブスタは井上キャラっぽく感じました。そんな都合のいい話はないということで死んでしまうところまで含めて。
お茶?を冷ましてあげようとして拒絶されたのに、最後の方で巧はお好み焼きを冷まそうとする真理を拒絶していなかったので、最後まで巧を振り向かせることができなかったということが強調されていましたね。
ケイ
彼女も井上キャラだな~~って感じですね。ヒサオが死んで恐怖しているコウタに対して子供の名前をヒサオにしようと提案するというとんでもない発言や、コウタが死んで間もないのに条太郎をデートに誘っていたりなど、行動のあれこれから地雷感が出ていました。
一応、コウタが死んだときには真っ先に駆けよっていたので、好意は本物だったらしいです。
というか、ラーメン店で働いているオルフェノクは全員変身前に身に付けているものが姿に反映されていましたね。
ちょっと引っかかったところ
観てるときはちょっと引っかかったところがあったのですが、たいていは自己解釈でどうにかなりました。そういった意味では鑑賞後のモヤモヤは少なかったかな、と思います。
ライダーズギア
TVシリーズ最終話でカイザドライバーは破壊されたはずなんですが、なぜか今回草加が普通に使用していました。
多分、戻ってきた草加が所有していたものなんだと思いますが、おそらくスマートブレイン側で新造したものだと思います。カイザフォンXXに対応していたのもそのためでしょう。
このあたりも草加がスマートブレインの回し者だっていう伏線になってるかもですね。
デルタギア、ファイズギアはそれぞれ三原、巧が使っていたものが保管されていたんだと思います。20年経っても使えるというのは、スマートブレイン(というか花形社長)の技術力の賜物でしょう(劇中の時間が現実と同じくらい経っているかはわかりませんが)。
旧型強くね問題
強化クリムゾンスマッシュを破ったミューズを正面から圧倒し、ネクストカイザも含めてクリムゾンスマッシュで倒した旧型ファイズですが、新世代ギアを旧型で圧倒するというのはかっこいいけど結構無理があるのでは?と思っていました。グランインパクトで圧倒的に出力が勝っているはずのゴルドスマッシュを相殺っていう芸当もしていましたしね。
こんな感じで力関係がおかしいように見えますが、巧が勝てた理由は「旧型ファイズを使い慣れていた」ことと「AI予測の隙を突いた」ということだと思います。
巧は長年ファイズとして戦ってきました。そのためファイズの特性を誰よりも理解し、使いこなしていたということでしょう。また、彼の独自の戦い方はおそらくマニュアルにも当てはまらない自己流のものであるという可能性が高いので、データベースを元にしたAIの予測の隙を突き、新世代ライダーを圧倒できたんだと思います。新世代二人はアンドロイドが変身していたので、人間的な判断ができていなかったというのも一因ですね。この辺はゼロツーの予測を上回り攻撃を当てたオルトロスバルカンにも通じるものを感じました(あちらもウルフです)。そもそも、劇場版時点で後発のサイガをファイズで倒していますしね。
逆に、ネクストファイズの活躍がいまいちだったのは残念でしたね。北崎の「今回は彼を援護させる」といった発言から、以前から数回変身して戦っていたようですが、やはり旧型ほど使いこなしてはおらず、しかも戦闘データは割れていたようなのでミューズには圧倒されていました。
欲を言うと旧アクセルフォームも観たかったですね。尺的に無理だったんだと思いますが。
ラストシーンの真理
条太郎に対して「オルフェノクになれば?」と言うところ、真理の性格的にどうなんだと思ったんですが、たぶん冗談で言ったことだと思うので、よく考えたらオルフェノクとしての生き方を受け入れたってことなんだと思います。
そう考えると前向きな真理らしいか。
アンドロイド問題
なんで北崎とか草加が復活してるんだろうな、とかネクストカイザの登場経緯はどうなるんだろうと思っていましたが、そうきたか、って感じでした。
自己修復機能とか、明らかに有機的な攻撃方法とかを見るに、政府がオルフェノクを解析して作ったアンドロイドなんだと思います。本編でも対策委員会がオルフェノクをいじくっていましたし。
政府が謎の超技術を用いてオルフェノクを殲滅しようとしているのはやっぱり小説版ファイズを彷彿とさせますね。
余談ですが、アンドロイドにロゴがついてるのはドンブラのドン・キラーとかドン・キラー・キラーっぽいと思いました。
オルフェノクの寿命
巧はTV版最終回でかなり寿命を縮め、ブラスターフォームにも複数回変身したといういつ死んでもおかしくない状態であったほか、かなりオルフェノク歴は長いという感じでした。しかも、TV版最終回で死んだような解釈すらできるという始末。
しかし、今作の巧はその後数年生きており、一度死んだとはいえ蘇生しています。
蘇生・延命に関してはスマートブレインの技術力っぽいですが、本編後数年生きたっぽいのは寿命長めに感じますね。巧が真理の前から姿を消したのはどうやら草加が戻ってくる前らしいので、案外本編後すぐなのかもしれないです。
ちゅーか海堂も長生きですよね。演出の都合と言えばそれまでなんですが、思ったよりTV版オルフェノクは長命なのかもしれません。オルフェノクの寿命が短いのは急激な進化に体がついてこないということらしいんですが、海堂はオリジナルではなく使徒新生によりオルフェノクになった奴なので、それも関係しているのでしょうか。それとも、人間として生き、オルフェノクの本能に呑まれなければ長生きできる、ということでしょうか。この辺は色々と考察できそうです。
最後生命線の話をしたのは、本当に生命線が伸びていたのか、それでも灰化してきたのをごまかしたのか、どっちなんだろう…?
最後に
乾巧のその後は「仮面ライダー4号」とか「ジオウ」でも描かれていますが、この続き方も良いですね。タイトルにある通り、「巧が自分にとっての楽園を取り戻す」という感じなんだと思います。
復活のコアメダルみたいに「たくさんある結末後の可能性の一つ」みたいな感じで良いと思います。明確に続編だと言われているわけではないですし。
とにかく、もう一度ファイズの物語が見れて良かったです。草加社長とかネクストファイズ・ブラスターフォームみたいにまだ擦れるところはあると思うので、