はじめに
この記事はUdon Advent Calendar 2025 - Adventarの21日目の記事です。
今回は2025年7月~2026年1月放送の特撮番組『ウルトラマンオメガ』について語ろうと思います。
『ウルトラマンオメガ』について
真紅の身体と頭についた着脱可能な武器「オメガスラッガー」が特徴的なウルトラマンです。「ソラ」から落ちてきた記憶喪失の宇宙人「オメガ」が主人公で、彼が人間と出会い、ともに戦っていくストーリーとなっています。
また、「ウルトラマンは何故地球を守るのか」という問いに深く切り込んだ作品となっています。
前作『ウルトラマンアーク』はどことなく『帰ってきたウルトラマン』を意識しているような感じがしましたが、『オメガ』は明確に『ウルトラセブン』を意識しているように感じます。
- スラッガー武器を扱う
- 真紅の身体
- 3体の怪獣とともに戦う
- 人間の姿に擬態している
- 宇宙人でありながら、人間と友情を育む
- 後述のある展開
というように、かなりの共通点があります。
あらすじ
その地球では、過去に光の巨人も怪獣と呼ばれる存在もいなかった。その地球に謎の隕石が落ちてきた。その正体は宇宙空間で謎の生命体と戦い、敗北して地球に落とされた宇宙人であった。
倉庫管理のアルバイトをしている青年「ホシミ・コウセイ」はある日倉庫で自分が作った焼きそばを盗み食いする謎の青年を発見する。彼は記憶を失っており、自分の名前すらわからなかった。
青年をどうするか悩むコウセイ。そんな時、地下から巨大生物が出現し、街が破壊される。混乱する人々。只一人、青年はその生物を「怪獣」と呼び、「グライム」という名前も口にする。
大変な状況にも関わらず人々を助けようと身を挺するコウセイ。その姿を見た青年は、自分が「大きくなれる」ことを思い出す。彼はスラッガーを召喚し、首に下げたペンダントの青いクリスタルを使って本来の巨大な宇宙人の姿に戻る。そして、圧倒的な力でグライムを討伐する。
人間の姿に戻った青年は「オメガ」という名を思い出し、コウセイに名乗る。二人はひとまず共同生活を送りながら、出現する怪獣に対処することとする。
ソラトとコウセイは怪獣との戦いの最中、怪獣を調べる学者である「イチドウ・アユム」と出会う。彼女は怪獣の名前や生態を熟知しているソラトと意気投合し、ソラトの正体を知らないまま協力関係となる。
そして、コウセイも力を手にする。オメガに続いて地球に降下してきた隕石の正体である「メテオカイジュウ」と呼ばれる怪獣を使役する能力を得たのであった。彼はオメガの鎧ともなるこの怪獣たちを従え、「怪獣使い」としてオメガに協力する。
三人は地球に出現する怪獣を相手に、それぞれの立場から立ち向かっていくこととなる。
ソラト=オメガは何者なのか?何故彼は地球を守るために戦うのか?彼の瞳は何を見つめるのか?
そして地球人たちはその紅い巨人を見つめ、何を思うのか?
なぜ怪獣は現れるのか?
今、目覚めの刻が訪れる。
作品の展開
基本的に最近のウルトラシリーズは以下の流れで進行します。
- 主人公がウルトラマンの力を得る/ウルトラマンが人間に協力するため人間の姿になる
- 怪獣が出現し、その都度新しい力を得ながら戦っていく
- 中ボス戦(ここまでで12話)
- 総集編
- 後半の敵の正体がわかってくる
- 強敵が出現し、最強の力を手にしてそれを退ける
- 敵の正体が明確になり、終盤に向けて物語が加速する
- 最終章(ラスト数話)
『オメガ』もおおむねこの順番で展開しており、現在23話が終了し、あとは最終章を残すのみとなりました。
序盤~中ボス戦まで
定番の流れに沿って、メテオカイジュウやそれを用いたアーマー形態を獲得しながら怪獣と戦ったり怪事件を解決したり、という展開となっていました。
また、怪獣が何を目的としているのかということも注目すべき点で、縄張りを持つ恐竜を由来とする怪獣(4話)、土地神として言い伝えられており、現地少女との交流の末怪獣化してしまった生物(5話)、繁殖の為番を探していた怪獣(6話)などが登場します。
あまり急いで対処しなければならない問題もなく、ソラトが地球について学んでいくという展開がメインでした。
例年に比べてのんびりしていた印象がありますが、あとから見直すと「怪獣たちのルーツが地球の生物にある」などといった伏線が隠されていたことに気づかされます。
中ボス戦
1話で倒された怪獣「グライム」の再登場に端を発し、他の怪獣を取り込み自らの力とする怪獣「エルドギメラ」が出現し、オメガが敗北してしまいます。
また、人類側も怪獣に対処するための防衛軍の設立に急ぐなど、だんだんと主人公たちを取り巻く状況が変わってきます。
そして現れる謎の巨人。それはかつてオメガを撃墜した「ゾヴァラス」でした。メテオカイジュウすら操るその能力にオメガは苦戦します。
ソラトとコウセイ、そしてアユムは決死の作戦を展開し、ゾヴァラスに囚われた三体目のメテオカイジュウ「ヴァルジェネス」を奪還。その力を用いた「ヴァルジェネスアーマー」によりゾヴァラスを撃退します。
序盤ののんびりとした雰囲気から一転し、立て続けに強敵が出現し、地球を取り巻く状況が激変してしまうという展開です。
怪特隊の発足
怪獣出現が頻発化し、人類は怪獣に対処する特殊部隊「怪特隊」を作ります。
ソラトとコウセイとアユム、そしてアユムの恩師であるウタ・サユキの4人はウタ班として怪獣対処に当たることとなります。
また、オメガは人間から「ウルトラマン」と呼ばれることとなり、ソラトもそれを気に入ります。
そして、人類は怪獣に対処する力を得るべく、怪獣の力を利用しようとしていました。
オメガの正体
戦いの最中、ソラトとコウセイは「人類は滅びゆく種族」と言う宇宙人と出会ったり、時を超える能力を持つ怪獣の力で訪れた未来の地球が荒廃し、怪獣を傷つける兵器のみが動き続けている様を見ます。
そして、謎の電波を発するカプセルを発見。そこには地球に落ちてきたソラトを助けた男が残したメッセージが入っていました。
彼から告げられるオメガの正体。そして、彼の本当の使命は今まで「ソラト」としてやってきたこととは真逆の事でした。
戻るオメガの記憶。「ソラト」としての彼はコウセイたちの前から姿を消してしまいます。
遂に訪れた目覚めの刻。人間と怪獣。その戦いの末には何が待っているのか...。
魅力
ここからは、この作品の魅力を書いていこうと思います。
ウルトラマン×怪獣使いのバディもの
前作『ウルトラマンアーク』でも主人公飛世ユウマと同僚の石堂シュウとの絆が描かれていましたが、シュウがユウマの正体を知るのはかなり終盤の事でした。
しかし、今作ではウルトラマンの相棒となる人間コウセイが一話の時点でオメガの正体を知り、メテオカイジュウの力を得て彼と一緒に戦っていくこととなります。
主人公の正体を知らないがともに戦っていくという役回りはアユムに回されています(彼女も12話で真実を知ることとなります)が、「怪獣を使って共に戦う」という役回りがメインキャラに回って来るのは結構珍しい気がします(アースガロン、特空機とかがありますが、コウセイはメカではなくメテオカイジュウという異能(おそらくオメガ由来)を使っている点で差別化されていると思います)。
ソラトが地球について知っていく中でコウセイも「やりたいこと」を探していくという構成になっているので、実質的なW主人公ということになります。
記憶喪失という軸
作品全体を通るストーリーの縦軸として「ソラト=オメガが何者なのか」という謎があります。
記憶はないが怪獣の名前や生態、戦い方は覚えている。メテオカイジュウが味方なのもなんとなくわかる。
しかし、オメガはどこから来たのか?彼は何をしていたのか?何故地球に落ちて来ることとなったのか?
そういった数々の謎が少しずつ少しずつ明かされていき、序盤の伏線が後半一気に意味を持つという流れとなっています。
こういったサスペンス要素も『オメガ』の魅力の一つです。
「学者」という面からの怪獣対処
怪獣の研究をするアユム、そして後半から彼女の恩師であるサユキといったように、この作品にはメインキャラとして怪獣学者たちが登場します。
また、オメガ自身も怪獣と対峙するときに右手を向ける「オメガスコープ」という動作をします。これは人間の姿をしているときも同様で、コウセイはソラトが怪獣学者だったのではないかと考え、「記憶喪失の怪獣学者」という体で周りに説明します。
生物の本質を知るために学者となったアユムは怪獣の知識が豊富なソラトに興味を持ち、生物学の面から怪獣の生態を考え、弱点を見つけるなどの面でオメガをサポートすることとなります。
また、サユキはソラトとコウセイを「怪獣博士と怪獣使い」とし、彼らの長所を活かしつつ自らの持つ知識や技術を総動員してチームで怪獣に向き合います。
怪獣をただ倒すべき敵として決めつけたり、目先の利益だけを追求するのではなく、様々な角度からその行動の意味を考えて正しく対処していくという「学者」「研究者」の姿勢。これが作品のテーマにもなっていると思います。
自分のオススメ回
かなり縦軸が意識されたストーリーということもあり、各話続けて見ると楽しめる作風ですが、あえて単一エピソードをオススメするとしたら、自分は以下の三つを選びます。
宇宙人がやってきた(1話)
あらすじで説明した通り、空から落ちてきたソラトとコウセイとの出会いや彼らの戦いの始まりが描かれます。
冒頭ではあの『ゴジラ-1.0』のCG製作を担当した白組による大迫力のCG戦闘シーンが描かれています。
最初見た時はあまりにもリアルで実写だと思っていました。
この回でコウセイがソラトに食べさせた焼きそばは彼らの絆の象徴となっていきます。
俺のやりたいこと(12話)
怪獣を倒すことに焦ったコウセイをかばったこともあり、オメガはエルドギメラに敗北してしまいます。これ以上コウセイを傷つけたくないと思ったソラトは、傷を押してコウセイの前から姿を消してしまいます。
メテオカイジュウという力を得たことでずっと探していた「やりたいこと」を一つ飛びに実現しようとし、失敗して相棒を傷つけてしまったコウセイ。
失意のうち、彼はサユキに出会い、彼女の手伝いをすることとなります。
「結果が出るか分からなくてもとにかく動き続けることが大事」ということを教えられた彼は、自らのやりたかったことを考えなおします。
そして、怪獣たちを吸収しさらに協力となっていくエルドギメラに対し、人間、そしてオメガが戦いを挑んでいくこととなります。
オメガの記憶に関する重大なヒントが明かされることもあり、文字通り前半の山場となる回です。
風花(17話)
人類によって作られた徹甲弾が怪獣を撃破する。これは人類の力で怪獣を倒せた初めての例であった。
しかし、倒した怪獣の死体が動き出す。調査の結果、怪獣に打ち込まれた徹甲弾に利用されていた永久凍土から取り出された怪獣の骨に潜んでいた細菌「エドマフィラ」が活性化して怪獣を操っていたということが判明します。
怪獣対処に焦る人類が生み出した兵器がさらなる脅威を生んでしまい、それに対処するという流れの話です。
防衛隊の人は反省していましたが、それでも怪獣には対処しなくてはいけない。ウルトラマンだけに頼るわけにはいかない。この板挟みの状態が終盤の展開につながっていきます。
怪獣が何故動き出したのかから始まり、何が目的なのか、弱点は何なのかということをウタ班で議論し、現地調査や防衛隊との連携を織り交ぜながらオメガやメテオカイジュウを含めたチーム全員でエドマフィラに立ち向かっていく、という流れが非常にきれいです。この作品のテーマもしっかり押さえていて無駄がないです。
個人的に一番好きな回です。
おわりに
2025年12月20日に衝撃の幕引きを迎え、年内の放送を終えた『ウルトラマンオメガ』ですが、あと2話でどのような展開を見せるのでしょうか。楽しみです。
それではまた、明日の記事でお会いしましょう!