映画『ズートピア2』感想

はじめに

この記事はUdon Advent Calendar 2025 - Adventarの14日目の記事です。

ズートピア2』

気を取り直して、この記事では『ズートピア2』の感想を書いていこうと思います。

公開は12/5だったので、一週間経ってからの鑑賞となりました。吹替版です。

前作『ズートピア』(9年前くらいなんですね)は観ていないのですが、だいたいの内容は知っていたし、冒頭に前作の説明があったのでついていけました。

以下、ポイントごとに書いていこうと思います。ネタバレが含まれているので未鑑賞の方はご注意ください。

総評

「〇〇してはいけない、おとなしく従え」という目上の人の言いつけを破って、失敗しつつも自分のやりたいことを正直にやって活躍し、結果周りに認められつつ自己実現を果たす、というストーリーラインはディズニー映画あるあるの王道展開だと思いました。

スリードや伏線の回収も秀逸で、前作を踏まえた要素もありますが総じてこの映画から観ても楽しめるような作りになっていたと思います。

仲間だと思っていたら実は裏切り者だった、という展開には完全に騙されました。新キャラほど信用できないってやつですね。

これ『ガンダムUC』じゃん!!!!!

作品が終盤に差し掛かってくると、何だか既視感のある展開になってきたな、と思いました。

しばし考えていたところ、既視感の正体が『機動戦士ガンダムUC』だと気づきました。

この作品のあらすじはWikipediaを参照してください。

この2つの作品には「新体制ができてから100年が経とうとしているとき、100年前に隠された真実がその時の重要人物の子孫たちによって暴かれる」という共通点があります。

そして、その隠された真実が「権利」であることまでも共通しています。『ズートピア2』ではヘビのゲイリーの曾祖母が取得した「特許権」、『ガンダムUC』では初代首相が宇宙世紀憲章に付け加えていた「宇宙移民の権利」です。そして、これらは現在迫害されていたり不利な立場に追いやられている「ヘビ・爬虫類」や「宇宙移民」の名誉を回復し、既存の政治基盤をひっくりかえすものなので既得権益を守ろうとする者たちがそれを消し去ろうとしている、ということまで似ています。

その他気づいた共通点も列挙してみます。

  • 財団と敵対する
  • 自分にコンプレックスを感じ、家族に認めてもらいたいと感じている男がいる
  • 既存のアイテムに隠された部分がある
  • 真実が隠されたアイテムの争奪戦
  • かつての重要人物の末裔がメインキャラ

こうしてみると、かなり共通点が多いですね。

やはり「名誉の回復」や「権力者によって隠された真実」というのは盛り上がりがいいのでよく使われるテーマだ、ということでしょうか。

これ『精霊の木』じゃん!!!!!

「抑圧された一族の末裔が祖先の名誉を取り戻す」というストーリーには、上橋菜穂子さんのデビュー作『精霊の木』との共通点が見られます。

この作品の舞台は上橋菜穂子作品の中で唯一「科学技術が発展し宇宙に人類が進出している世界」です。

宇宙に進出した人類は、降り立った星で先住民族に出会うわけですが、人類は彼らの大切にしていた森(そこの木には重要な意味があります)を切り倒し、先住民族を迫害し、根絶やし同然にしてしまいました。その上、歴史には先住民族が勝手に滅びたといった情報だけを残し、自分たちの所業を隠蔽しつつその星に都市を建設してしまいました。

そんな中、その都市に暮らす主人公が自分はその先住民族の末裔(混血の影響を調べるため人類と子を持つことを黙認された人々もいた)であることに気づき、歴史に隠されたとある真実を探して旅に出る...といった話です。

最終的に真実が暴かれ、実力行使でその真実を隠そうとした連邦の暗い部分も日の目を見る事になる、というストーリーラインも『ズートピア2』と関連しています。

上橋菜穂子氏の他作品である「守り人」シリーズや「獣の奏者」シリーズにも「隠された真実を暴いていく」というテーマがあります。文化人類学者としての顔も持つ彼女にとって、「歴史は伝える者の手によっていくらでもゆがめられてしまうので、欲を抜きにして正しい姿で伝える必要がある」ことをこれらの作品に込めたんだと思います。

おわりに

こうしてみると色々な日本の作品との共通点を持った作品なんだなと感じました。もちろん狙ってやったわけではないでしょうが、色々な作品に触れておくとそれらの類似点を考えることができて解像度が上がり、面白いなと思います。

それではまた、明日の記事でお会いしましょう!